バイトを始める前、
自分に危機感を感じていた。
今もだけど、昼の仕事がヒマ。
家に帰ると連日猫と遊んでいる。
長年染みついていた「忙しい毎日」が
激変して、昼も夜もヒマな毎日。
私、老人かと。
しかも猫を可愛がるほど、
ダメになっていく気がした。

いいんだよ、今までずっと
がんばってきたんだから

って周りは言ってはくれるよ。
しかしさ、子育て終えても
私はまだ42だったんだ。
この歳で出産から始める人も
いなくはない。

それでバイトをしたら
何か変わるんじゃないだろうかと。
オープンから人不足で激務だった。
昼の仕事で残業することはないから、
逆にヒマ・ラッキーと思えるようになった。

しかしそれから数ヶ月後、
犬が来て、息子の自宅通勤が決まり、
また生活が変わった。

バイトはセーブも可能。
辞めることも可能。
でも嫌でやってるわけじゃないから、
忙しい時の助っ人とか
完全に退かず、
困った時の力になれれば。

子供がいるなら
ごはん、作りたいしね!
自分でもわけわかんないよ。
本当に1人はラクなんだもん。
食べたい時に適当に
が可能だから。
でもヘトヘトな人を見てたら、
栄養くらいつけてやらなきゃって
思っちゃう。

未来はいつだってわからない。
自分で動かなくても
変わる未来もある。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆

毎日犬の散歩をしていると
同じく犬連れの人とすれ違う。

明らかに遠くからでも毛艶も
育ちもいいワンコが
遠くからたろうの姿を見て、

「大丈夫だから!
なんとかちゃん、大丈夫だから!」
って愛犬を励ましながら
通り過ぎたり、
時には道の反対側に移ったり。

こちらは明らかに外飼いの犬で、
匂いを発してそうで、
そちらのワンコとは育ちが違うけど、
だからってそんなに避けなくたって
いいじゃん!
何もしてないじゃん!

という被害妄想を抱くように。

昨日も今朝も同じ夫婦とすれ違った。

そして今日の夕方、
またすれ違った、いつものように。

遠くから「だいじょぶ、だいじょぶ!」と
愛犬を励ましている。

来たよ、来たよ。
反町隆史・松嶋菜々子夫妻のようなおふたり。
ふたりとも長身で、オシャレ。
犬もオシャレ。

「たろ、おいで。」
私は申し訳ない気持ちで
うつむいて小走りで過ぎ去った・・・

あれ?

振り返って声を掛けた。

「Fくんち?」

ほげの友達の両親だったよー!!!

パパが「今朝もすれ違いましたよね。」って。

私、全然気付かなかった。
朝からオシャレな夫婦。
匂いそうな犬と寝起きの私。
今日も嫌がられる!と
目を合わさないように
歩いていたから。

たろうを嫌っているのではなく、
愛犬がビビりで、
他の犬を見ると暴れるために
なだめていたというわけ。

「では、またー。」

うちにはたろうが合ってる。
私とトイプードルとか
絶対合わないもの。
自分の毛も梳かさないような人に。
Fくんちにはそのワンコがお似合い。

これからは目を合わせられる。
嫌味な夫婦でなくてよかったw

公園に入ると
自転車集団の高校生。

目が合い、先にあちらが

「あれ~?」と声を掛けた。

私には男子高校生の友人がいる。
テニス仲間だ。

「柴っすか?」

「そう。
うちね、この辺なの。」

「そうなんすか。」

「その自転車なんだっけ?
そのタイヤ細いやつ。」

「これ、クロスバイクです。
今ねいろんなスポーツしてるんですよ。」

「いいね!楽しんでー。
じゃまたね。」

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散歩してると、知り合いに会う率が高くなる。

公園にいる時、グループLINE。
とりあえず現状を送ったら、
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会社を辞めた先輩が
「時間休で散歩?」ととんちんかん。
日曜日なのを忘れてる。
毎日が休日だから。
そんな人生も最高だろう。



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