社長は天才肌だけど、
私に出した宿題の数を
覚えているのだろうか。

あれもこれも作れと
言っていて、
優先順位を付けられない。

その間に今日は、
経理の先生(若い子)から
2時間、レクチャーを受けた。
きっちりと1ヵ月の
何日何時から何時間という
予定を渡してくれて、
テーマも決まっている。
すばらしい。


社長「テプラの角、
丸く切ってくれよな。

なんでそうするかわかるか?」

私「・・・剥がれにくくするため!」

社長「あたり!」

私「社長、私、今日はじめて
一発で当たりました!」

社長「ははは、そうか。
お前、記念日にしておけ。」

なんだかんだ相性は悪くない。

そのあと、駅に送ってくれと言われ、
小さい車でもいいのかな?と
思ったら、優しさを見せてくれた。
自ら後部座席に乗り込む。
電話しながらも
的確なナビをしてくれた。

戻ると若い子が言った。
「ドレミさん、完全に秘書ですね。」

会社の男の子たちとは
すでに親しい。
平成ジャンプたち。

唯一、笑わない私の上司と
今日は7時過ぎまで残って
仕事をしていた。
(私は先に上がったが)

「ドレミさん。」声が怖い。

ギクッとする。
また何か・・・。

時間過ぎだったから、
全体的な会社の話をしてくれた。
自分が忙しすぎることも。
だから私を呼んだことも。
けれど
「畑違いですもんね。」と
言ってくれた。

私「会社に来て3週目で悟りました。
私はいろいろなことを
あきらめて生きてくんだなって。」

上「私、親が具合悪いって時も
帰れなかったですからね。
死んだら帰らせてくれるのかな?」

私があきらめると覚悟していること。
・平日休暇
・定時上がり
・ゆくゆくは休日出勤が普通
・孫が誕生しても
里帰りをさせられないこと
・カレンダー以外の連休

というようにたしかに
考えれば考えるほど
忙しい会社向きの人間だ。
子供には支えてくれる相手が
いる状況での話だし。
私には介護する親もいないし、
子供も勝手に生きられる歳。

ただ唯一、ネコの具合が
悪い時には、
病院に行く時間を取りたい。
ネコだけ、猫を守れなかったら
仕事なんて続ける意味がない。
そこだけは、知らないこの地でも
力になってもらえる友人を作りたい。

笑わない上司が
笑った。
極度の緊張感から
解き放たれてうれしかった。
普通に人の心を持っていた。

責任者だし、
周りは子供ほどの若い子ばかりで、
体裁もある。
そういうことか。

そこに歳の近い人が
やってきた。
私はおじちゃん+おばちゃんだもん、
場数は踏んでるし、
警戒心は不要。

私みたいのを
嫌いなんだろうなと思っていた。
昨日まで。
仕事もたいしてできないのに、
社長の(ドSな)寵愛を受けてるようで。
しょせんただの女だ
とこの人は思っているのだろうと。
(そこまで追い詰められる空気)

早く助けられるように
成長したい。
言えなかったけど、
言いたかった。

私は飲み込みは
決して早くないけれど、
覚えたらきっちりやります。
だからそれまで時間をください
と。

上「社長は俺より
いっぱいやらせてるもんね、笑
仕事覚えろって言いながら
あれもこれも、笑」

流れで子供の話もした。
もういない親の話もした。
プライベートな会話を
今日、あの職場で初めてだった。

普通の職場だと思った。

自分の力で生きてる気がする。
ひとりきりが私を
強くしてくれている。
今までの自分を信じること。
自分で環境を良くしていくこと。
仕事はまだまだだけど、
気配りを忘れずに
今、自分にもできることを
増やしていきたい。

前向きだな、「おまえ」。



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